ファイアーエムブレムサイファ 環境破壊カード10選

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久しぶりのサイファの記事になります。
サイファの最終弾が出て1年余。皆さんまだまだサイファ遊んでいますか?
私は最近はポケカばっかりですがたまにサイファやってますしやっぱおもしれーなこのゲーム!ってなります。

さてそんなサイファですが、5年半の歴史においては登場時から暴れまわって対戦環境を荒らし回ったカードが何枚も存在します。
対戦コンテンツの必定と言いますか、何年も同じカードばっかり強いってなるとやっぱり面白くはないですからね。
今回はそんなカードの中から厳選して10枚、選んでみましたのでランキング形式で紹介していきたいと思います。
ランキングを見た上でのご意見、ご感想は是非コメント欄や、このブログ記事のツイートなんかに頂けると、盛り上がって楽しいのではないかと思います。

評価手法

  • 私が普段仲良くしてもらってるサイファ有識者数名にブッ壊した印象の強いカードをたくさん挙げてもらう
  • 加えてサイファシストのデッキ分析機能より使用率上位のカードを各環境からピックアップ
    • ここで印象の強いカードとして出たもののあまりにも実態と乖離しているカードは『私怨』と判断し除外する
  • ノミネートされたカードを各評価項目につき5段階の相対評価で点数付けを行う
  • 各評価項目においても重視すべき評価基準には重み付けを行い、その合計得点を最終評価とする

※今強いかどうかではなく、登場時に環境を荒らしていったことがポイントです

評価基準

  1. 環境に居座り続けているカード
  2. 新時代を築き上げた主人公
  3. 既存のデッキを崩壊させたカード
  4. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード
  5. 唯一無二性が強く採用率が高いカード
  6. 構築段階やプレイングで対策を考える必要があるカード

この内、今回はブッ壊したという命題のため、b,c,dを重視して評価します。

それでは早速ランキングの方を見ていきましょう~。

10位 光の英雄王 マルス

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第10位は4弾収録のSRマルスです。
収録以来、後続の13弾マルスが登場するまで常にトップクラスの使用率を維持し、2018年の全国大会では優勝という実績も修めた文句なしの強カードです。
いわゆる魔術マルスという型が主流で、「群の英雄」の効果で回収できるカードのヒット率を上げるために低コスト帯の魔道士のカードを多く採用し、支援するたびに発動する「魔術の紋章」で手札を入れ替えながら増やしていき、後衛に魔道士を展開して最後は必殺を連打してフィニッシュするという戦い方で数多のデッキを黙らせ続けました。
後衛を触るのが苦手なデッキは常にマルスの後衛にいるユニットが捲る支援スキルを眺めるしかできず、気づいたときには必殺を揃えられて負けてしまうという事態に陥ります。
他にも、攻撃の紋章持ちのアタッカーや弓兵を大量に採用したいわゆる弓マルスという型も多く存在し、手札枯渇が課題だった速攻デッキの問題点をケアする新たな速攻デッキとして君臨しました。
あまりにも強かったため、6弾で収録されたSRエリーゼや、11弾で収録されたSRアメリアのような必殺をさせないカードというメタカードが出てきたのも環境破壊度としては評価高めですね。
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また他のマルスにも言えることですが、「ファルシオン」で一般的に戦闘力が高いとされる竜石持ちユニットにも問題なく攻撃を通していける点も地味ながら強力ですね。
竜石持ちのカムイ男女が収録された10弾環境では、ファルシオンを手に常闇カム子との熾烈な環境争いをしていたのが非常に印象深いです。

このため、【a. 環境に居座り続けている】点と【b. 新時代を築き上げた】点が高く評価され第10位となりました。

9位 聖義を伝えし騎士 シグルド

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第9位は最終弾からシグルドです。
最終弾のSRはどれも良い性能をしており、それぞれに独自の強みを持っていると思いますが、その中でも評価が高かったのはこのシグルド。
まず目を引くのは、CCすると絆を1枚退避エリアから伸ばせる「未来に繋ぐ絆」で、これにより息子である8弾SRセリスを絆に仕込み、絆を回復しつつ伸ばすという動きが単純に強力です。
CCしたときに発動するスキルとしては、効果が強力な代わりに出撃コストとCCコストが反転しているOC(オーバークラスチェンジ)がありますが、このシグルドはそういうデメリットもないですし手札からCCしたときという縛りもないので、実質OCだとか、OCの上位互換だとか言われて騒がれました。
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仕込んだセリスは、「光神のティルフィング」でコストとして使用できる点も噛み合いがよく、絆が伸びる点から「時を超える想い」によるターン1制限解除も満たしやすいため、上から下までのテキストのシナジーが非常に美しいですね。

もちろんセリス以外にも状況に応じて欲しいBSを持つカードを自由に仕込める点、出撃フェイズ中なので増えた絆で更に出撃が可能な点、なんなら更にもう1回シグルドがCCして絆を伸ばす動きもできる汎用性の高さが魅力です。
このカードの登場により黄色い主人公のデッキではまず採用されるようになり、黄色くないデッキでもシグルドを使いたいがためにサブで黄色を採用するということも起きたため、評価としては【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】が非常に高いです。
また相手ターンまで続く+30バフを与えられる「光神のティルフィング」により、一般的な上級職の戦闘力70+30=100ラインを超えられないようなデッキは詰みかねないため、高い打点を出せるように【f. 構築段階やプレイングで対策を考える】必要があります。
まぁこれに関しては他のカードでも言えることなのでやや評価としては低めにはなりますが。

総評として、環境破壊よりもパワーを押し上げて環境を創造したという意味で環境を変えた良カードという評価で第9位となりました。

8位 欲望を満たす夢魔 プルメリア

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第8位は21弾収録のプルメリアです。
初公開されたときの記憶が強烈に残っているのですが、「破廉恥ですね!」で出撃コスト5のユニットは常に出撃することすらできない汎用的かつ強烈なメタ効果で既存のデッキ構築を多数歪ませた実績があります。
CCはできるので、5cのユニットを使うときは常にこのカードのことを考えて同名の低コストカードの採用を検討するなど、【f. 構築段階やプレイングで対策を考える】必要が出てきました。
これが特定のデッキにしか採用できないような尖ったカードであればまだ良かったのですが、シンボルなしのカードということでどのデッキにも採用を検討できる点、支援30で雑に積んでもある程度は仕事をする点、もう一つのスキル「豊潤の花」で脇の1cアタッカーを撃破して序盤の被弾を確実に減らせる点など、【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】としての評価も高いです。
結果的に広く採用が見られるようになり、特に5cが主体であることが多い黄色や茶色のデッキを大きく歪ませたため、【c. 既存のデッキを崩壊させたカード】として非常に高い評価をもらっています。

これは個人の感想ですが、同じ21弾で収録されたSRヒルダについては、3ターン目にCCして手札からHRセイロスや狂嵐エーデルガルトを出すコンボが強い!と騒がれた気がしますが、このプルメリア1枚で解決できてしまったので誕生とともに死んだのは非常に悲しいなと思っています。。。
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実際ぼくもこのカードの存在でだいぶ構築を悩んだデッキも記憶にあるため、環境破壊度が高いとされ第8位となりました。

7位 はじまりのもの ソティス

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第7位は19弾収録のSRソティスです。
風花雪月といえばソティス、ソティスといえば「天刻の拍動」!ということで、原作の効果をこうやって表現してきたか~って感動すら覚えたのが印象的でした。
肝心の効果はというと、味方の攻撃で敵を撃破できなかったら未行動にしてもう1回攻撃できるという、SRフィンの勇者の槍を全員に付与できますよ、というようなもの。
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これだけでもまぁ十分に強力なのですが、更にその強さを押し上げるのは「深遠の玉座」で、手札から無限エリアにこのソティスを送るだけで茶色の主人公に「天刻の拍動」を与え、以降ゲーム終了まで常に回避したら2回殴ってこられるゲームになります。
要するに攻撃を回避するためには神速回避札を2枚要求されるようになるということ。
極めつけは、この「天刻の拍動」はこのスキルを持つユニット1体につき1ターンに1回なので、主人公に「天刻の拍動」を付けてから新たにこのソティスを出撃させれば、攻撃を回避→主人公の「天刻の拍動」で未行動に→攻撃を回避→ソティスの持つ「天刻の拍動」で未行動に→攻撃…と、1ターンに3回ノーコストで殴れる状況が生まれます。
茶色には、撃破したときに誘発するスキルを持つSRエーデルガルトだったり、オーブがない状況で使われるとほぼ確定で負けるスキルを持つSRディミトリだったりがいるので、回避したかったりオーブを残しながら立ち回る必要がある場面が多いのですが、このカードの存在によってそういった立ち回りが許されなくなる点が、【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】【f. 構築段階やプレイングで対策を考える必要があるカード】の評価を高くしています。
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このため茶色いデッキではトップクラスの採用率を誇り、【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】としての評価もそれなりです。最悪茶色い主人公ではなくとも出せば仕事をするので、撃破することで効果を発揮することで強みを押し付けていくタワーアイクのようなデッキにも採用が見られる点は、同じく茶色のパワーカードとして有名なSRベレトよりも評価を高くしています。
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6位 魔道の申し子 ニノ

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第6位は7弾からSRニノです。
一時期シングル価格はSR+でもないのに6000円に到達しようかという勢いで高騰した、紫を代表するパワーカードです。
某店舗ではニノ1枚と7弾1箱を交換するキャンペーンとかやってたりしましたね…懐かしいw
さてその効果はというと「家族は、あたしが守る!」が強力で、1つのスキルで支援確定と主人公の回避札を回収という2アドをノーコストで取れるというもの。
もう1つのスキル「魔道一族の血」の条件が味方がニノに支援されることなので、手札のニノを置いて主人公を回収するといった動きでドローソースとしての役割も果たしました。
地味ながら相手ターンにもこのスキルは発動するので、その1ドローで回避を引く…なんてシーンも有り得る話です。
デッキにより仕込むカードはまちまちですが、7弾当時流行していたデッキ例として、上述の魔術マルスでは1cニノを仕込んで魔術紋章を発動させつつ「群の英雄」でニノを回収して手札消費がないどころか増えていたり、ミカヤ主人公では支援Xのレベッカエリウッドを仕込みつつミカヤを回収して低戦闘力のユニットも攻撃の頭数に入れたり、逆にそのままターンエンドして通せない攻撃+回避で2回被弾を減らしたりといった動きで活躍しました。
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手札から仕込む必要はあるものの、絆を消費せず回避札を回収できる性能は当時非常に画期的だったため、多くのデッキがニノを使用したいがためにサブに紫を採用し7弾ではトップのカード採用率を誇った点が【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】として評価を高くしています。
今でこそ紫の4c魔法ユニットの選択肢は広いですが、このカードの登場はそれだけ衝撃的でした。
また、維持すればするほど主人公の回避札が回収されていくので、ニノを相手する側はニノを処理しなければ永遠に主人公が回避し、かといってニノを処理しなければ主人公に叩き込むはずだった1パンが減るというジレンマに悩まされ、中途半端なアグロデッキはこのカードによって死滅していった点は【c. 既存のデッキを崩壊させたカード】としても評価が高いです。

選択肢が広くなったとはいえ今なお使われ続けるサイファ史に残る名カード、SRニノが第6位でした。

5位 お揃いの総髪 オボロ

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第5位は14弾から1cのオボロです。
オボロ主人公自体は7弾で収録された「艶姿槍乙女 オボロ」を軸とするアグロデッキが元々ブイブイ言わせており、2017年の全国大会では優勝の実績もあるためそちらも環境を変えたという意味では間違いないのですが、真価を発揮したのは実はこのカードが登場してからなのでは…?というのがノミネート理由です。
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「白夜の薙刀術」のスキル効果自体は単純明快で、1ターンに1回だけ未行動なら移動できますよ、というもの。
これだけだとなんのこっちゃ強さがわからないと思うので解説しますね。
まず、上述したSRオボロの持つ「艶姫の早着替え」がこれにより誘発するので、白い絆1枚でCCでき、CCボーナスで1枚カードを引けます。
そこからSRオボロの持つ「お化粧直し」でCCした時に載せたカードを退避に落とし、この1cオボロに戻ります。
するとサイファのルール上、1回SRにCCしてから1cに戻ったので、カードの情報がリセットされ「白夜の薙刀術」を使用していないことになり、もう1回「白夜の薙刀術」を使用することができます。
これにより、早着替え→お化粧直し…というループは、白い絆がある限り何回でも行えるため、退避エリアにSRオボロが落ちさえすれば、絆ある限り手札を増やしながらCCコストを無視できる、というわけです。わけがわからないですね。

このカードが登場するまでは、行動権を消費せずにオボロを移動させるために、アタッカー性能の低い「天空の運び手」や「天空の紋章」といったスキルを持つユニットを採用して枠を圧迫していましたが、このオボロの登場によりその必要がなくなり、その枠をより攻撃的なユニットに変えることができるようになったため、【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】と言えるでしょう。
オボロ主人公自体は登場時からずっと環境デッキとして人気が高く、もちろんある程度の盛衰はあったものの【a. 環境に居座り続けているカード】としては疑いようがないです。
このカードの登場により、1~2ターン目にこのオボロを攻撃したらSRオボロで回避され、次の返しで運び手を必要とせずに安定してCCされ一方的に殴られてしまうため、殴りたいのに回避されたくないので殴らないという選択を強いられるようになりました。この理不尽さは【f. 構築段階やプレイングで対策を考える必要があるカード】の評価が高いです。
またオボロ主人公以外でも、白夜のデッキのサブアタッカー兼ドローソースとして【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】としても評価が高いです。

以上により、支援10というデメリットはあるもののそれを優に越えるアドを生み出すきっかけとなった14弾1cオボロが5位となりました。

4位 昏き闇竜の神子 カムイ(女)

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第4位は10弾で登場した6cカム子です。
f:id:ragnellike:20211118144708p:plain 10弾環境での使用率分析ですが、とりあえずこれを見れば【b. 新時代を築き上げた主人公】としての評価は疑いようがないと思います。
登場するや否やまたたく間に環境を染め上げた実績がよくわかりますね。

持っているスキルは、「常闇の翼」黒いカードを手札から絆エリアに置いて、置いたら主人公以外のユニットを1体選んで撃破する、というもので、特にコストなく簡単に絆を伸ばせるだけでも強いのに、加えて行動権を消費せずユニットを撃破できるというがとにかく強力で、ニノの時に話したニノを処理するか主人公を殴るか、みたいな選択を嘲笑うかのようにニノを処理してそのまま主人公にも攻撃を叩き込むというのがめちゃくちゃ強いです。
加えて、「黒き竜血」で黒い絆が2枚以上表なら全ユニットの戦闘力が自ターン中+10されるので、カム子自身の戦闘力が80あるため90から殴られますし、そもそも常闇の翼で黒い絆置いているはずなので条件も満たしやすいというシナジーの美しさも評価高いです。
使用者が多かったため研究も非常に盛んでいろんな型が開発されましたね…。

最初はシグレなんかの白黒ダブルシンボルを多く搭載した支援30のカードが多めの構築や、
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増やした絆を竜脈サクラで消費して手札を増やす構築、
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少ししてから青を採用してチキで4ターン目にCCする構築がメインになり
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11弾以降は青のマムクートに加えてOCジェニーを採用して耐久する構築も出てきましたね
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登場以降トップメタとして君臨した強さは圧倒的で、それまで存在していた数多のデッキがカム子の戦闘力80を突破できなかったり、ユニットを強制撃破によって全く維持できずに勝てず死んでいきました。
このように新時代を築いたっていうことはつまり【c. 既存のデッキを崩壊させ】てるっていうことです。
当然トップメタなのでカム子に勝てないデッキ=存在できないということになり、言うまでもなく【f. 構築段階やプレイングで対策を考える必要】がありました。
その後露骨なメタカードである12弾シェイドが登場したことでどのデッキも対策カードとしてある程度採用されるようになったため、カムイ女一強時代は一旦おとなしくなりましたが…、
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というわけで、サイファ史においてパワーインフレの起点となったとも思われる6cカムイ女が第4位でした。

番外編

TOP3の前に、ここで惜しくもTOP10入りは逃したものの「これも環境破壊したよね」っていうカードを何枚かかんたんに紹介していきたいと思います。

終焔の白神子 カムイ(女)

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まずは3弾で登場した白カム子ですね。
「光と闇の炎刃」でギュンターを始めとした黒の3cアタッカーを絆がある限り蘇生して殴り続ける、サイファ史黎明期のビートダウンデッキとして一時代を築いたカードです。
第1回の2016年サイファ全国大会で優勝した実績も持ち、登場してからじわじわとそのパワーが評価され使用者が増えていき、ついには初動で700円程度だったシングル価格が3000円程度にまで跳ね上がった伝説を持ちます。
2弾までの対戦環境はスターロードマルスやリズなどの中速~低速寄りのデッキがマムクートなどの力を借りて暴れていましたが、3弾からはこのカムイ女を軸とした白黒ビートダウンというデッキタイプが新たに生まれ、対戦環境を中低速の赤青vs速攻の白黒という構図に一変させました。ねえ緑はどこ?
というように【b. 新時代を築き上げた主人公】【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】としての評価は高かったんですが、これまで存在していたデッキもカム子に対して渡り合うようにして戦っていけたため【c. 既存のデッキを崩壊させた】とまでは言えないかなと言うことでやや評価を落としました。

蒼炎の勇者 アイク

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続いて5弾で登場した天空アイクです。
アイクの代名詞でもある「天空」を引っさげてついに登場し、テンションがぶち上がったのを今でもよく覚えています。
スキルの効果は、主人公を攻撃したらアイクの戦闘力が80になるついでに脇のユニットも2体まで吹き飛ぶ、というアイクらしい強烈なもの。
絆リバースも重いですが緑らしくレベルアップでコストを軽減できるため、現実的には1リバースで天空を毎ターン連打していくのがメインの動きとなります。
これにより、裏にユニットを溜めて戦うアズールのような主人公ワントップのデッキが全て滅び、特に4弾で出たばかりのSRルキナを主軸とするデッキはコンセプトをアイクに否定されてしまったのが悲しいですね。
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このため、【c. 既存のデッキを崩壊させたカード】としての評価は非常に高くなっています。
天空は主人公を攻撃した時に発動し、アイクの射程は1のため対策のためには主人公を下げる動きが必要になってきますが、本来その行動権で攻撃したいところを下げる動きを強要されるという点は【f. プレイングで対策を考える必要】があると言えるでしょう。
一方で環境上位の方ではあるもののトップメタとまでは言えないかなと言うことで【a. 環境に居座り続けている】かは微妙で、実質主人公専用で【d. 既存のデッキのパワーを押し上げた】わけではないかなというところで評価が低くなっています。

永遠の幼子 ノノ

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番外編ラストはサイファオーパーツ、ノノです。
1弾からずーっと使われ続けている最強の汎用性を持つマムクートですので、【a. 環境に居座り続けているカード】であることは疑いようがないですね。
歴史を辿っていくと、後発では3cンンや3cミルラ、17弾チキなどのような類似したカードはいくつか存在しているのですが、射程1~2、絆6以上で常時戦闘力80、出撃コスト3で絆7の時に4cユニットと一緒に出しつつ絆を回収しても戦闘力が下がらないなどという魅力的な要素は、後発カードには必ずどれかが欠けており、すべて兼ね備えているのは結局ノノだけでした。
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※もちろんこれらもノノの下位互換などではなく、要所要所ではノノ以上に働いたり、そもそも色の関係でノノではダメだったりはします。

【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】として大活躍したのは誰もが認めるでしょう。ウィニーでないならとりあえず積んでおけとか言われてる時代もあったレベル。
ただ、今回は環境を破壊したっていう命題なので1弾から存在しているノノは不利な評価条件なのかなあというところはありました。
そのため、【b. 新時代を築き上げ】ようもなかったり【d. 既存のデッキのパワーを押し上げた】実績も評価が難しく、10位圏外となっています。
数々の竜石メタが出たことを考えると【f. 構築段階やプレイングで対策を考える必要があるカード】であるのは間違いないですが。

番外編おわり

3位 究極の聖女 ジェニー

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第3位は最強のOCとして名高いジェニーです。
このジェニーはEchoesのDLCで登場したオーバークラスが初収録された11弾で登場しました。
サイファにおけるオーバークラスは、CCコストが出撃コストと反転して高くなっており、手札から出撃コストを払ってCCした時限定ではあるものの非常に強力な効果を使用できる、というコンセプトで登場したカードになります。
そしてジェニーに与えられたOCの効果はというと、「妖精王の光」OCしたら退避エリアから制限無しで好きなカードをオーブに加えることができるというもの。
それまでオーブの回復は重めの絆リバースや相手よりもオーブの数が少ない時などといった厳しめの条件をクリアして初めてできるものでしたが、出撃コスト1+CCコスト5で重いとはいえそれだけでほぼ無条件に好きなカードをオーブに仕込んで回復できる、という効果は数々のサイファプレイヤーを驚かせました。
一応オーブ4枚以下のときにしか使えないという制約はあるものの、絆6でジェニーがOCする頃にオーブが1枚も割れていないならそもそも回復する必要がないのでほぼ無意味な条件となっています。
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これだけでも十分やばいですが、このジェニー別にOCしなくても強いんですよね。
「清冽な癒し」絆3枚リバースでジェニー以外でユニット名が違うカードを2枚退避エリアから回収する。なお行動権の消費と1ターンに1回の制限はなし。
このスキルのおかげで、絆6の時にまずジェニーがOCしてオーブに退避から主人公を仕込みます、更に清冽な癒しを2回使って6枚絆をリバースして主人公+何かという回収を2回使います、という動きが可能です。
そうすると、オーブ+1、オーブに回避があるので更に+1、2枚主人公を回収しているので+2というように相手はこの実質4枚の回避を乗り越えて主人公を撃破しなければならなくなります。
要するにジェニーがOCしてスキルをフル活用すると5回主人公を殴らないと勝てなくなります。無理ですね。
実際はここまでしなくても充分なので、オーブにこのジェニーを仕込んで主人公が殴られようものならオーブから仕込んだジェニーを拾ってまたOCしたり、そもそもOCせずに3枚リバースして好きなカードを2枚回収したりして、そのあとは行動権を消費しないので戦闘力60で攻撃に参加もできます。
究極の聖女の名に恥じない驚異の回復性能を持っているため、赤いデッキはもちろんジェニーを使いたいがためにサブに赤を採用するデッキも数多く存在し、登場から現在に至るまでいろんなデッキでの採用例を見ます。
故に【a. 環境に居座り続けているカード】【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】としての評価は文句なしでしょう。
また、上述の通りライフを回復されるとアグロデッキがほぼ止まるため、ジェニーがOCする絆6までに殴りきれないようなデッキは存在を許されなくなりました。
この点では【c. 既存のデッキを崩壊させたカード】としても評価が高いです。
他にも11弾ではデューテやエフィといったOCが収録され、それらも非常に強力な効果を持っていますが、OCの特性上2枚カードを揃える必要があるためそれを揃える役割を果たせたり、そもそもOCしなくても充分強いという点でジェニーが同期のOC組では頭一つ抜けていると言えるでしょう。
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このように非常に強力な効果を持つジェニーですが、回復したオーブはOCエフィの「葬魂の黒天馬」で退避に送るといった対策も存在はしていたので、この頃はOCを対策するにはOCするみたいな感じでしたね…。
以上、世は大オーバークラス時代を生み出した立役者、ジェニーが第3位でした。

2位 聖帝と称えられし者 サナキ

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第2位は16弾で登場したSRサナキです。
元々ベグニオンの至宝であるラグネルとエタルドの二振りを手にした、原作では見られなかったサナキになっています。
さてこのサナキも登場した16弾環境では環境トップとなった実績を持つユニットです。
f:id:ragnellike:20211118164806p:plain 上述のカム子同様、これを見れば【b. 新時代を築き上げた主人公】としての評価は疑いようがないと思います。
登場して間もない時期に開催された4回目の2019年全国大会では当然のようにトップの使用率を誇り、優勝したのもサナキでした。

肝心のカード性能はというと、まず目を引くのは「新しき世界」絆2枚リバースで場にいるユニットが全員緑なら出撃フェイズ終了後にもう一度開始フェイズ・絆フェイズ・出撃フェイズをやり直す、というもの。
サイファのルール上、開始フェイズは山からカードを1枚引け、絆フェイズは絆を1枚増やせ、出撃フェイズはユニットを出撃できるので、要するに2リバでリソースを加速しつつ更にユニットを展開できるというものになります。
出撃コストの重いユニットでも2回ある出撃フェイズのおかげで複数展開できるので、一般的に処理が難しい大型ユニットのパワーを押し付けているだけでも強力でした。

当初はデザイナーズコンボとして6cゼルギウスのターン開始時効果を付与して相手ターンまで+30するコンボからはじまり
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ターン開始時に誘発する効果をサナキのおかげで確定で使えるためセネリオが高騰し始めたり
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2回の出撃フェイズでトパックがCCしまくって手札をめちゃくちゃ増やしたり
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などなどの紆余曲折を経て、最終的には俗に言うナンナループという構築が大流行しました。
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ナンナを絆に置いてナンナを回収し、新しき世界でナンナを裏向きにして追加の絆フェイズでナンナを置いてナンナを回収…と続けることで、2枚ずつ消費していく絆を回収して永久機関のように回して行くことができるようになります。
これにより、サナキは枯れないリソースを武器に延々とユニットを展開し続けて戦っていくチートじみた動きができるようになりました。

また、「新しき世界」に比べるとどうしても地味ですが「受け継がれし双神剣」で手札を交換しつつ射程を伸ばせるのも強く、このスキルのおかげでタッチで支援Xのエリウッドを採用するといったこともできました。
出撃コストが重いカードが多めなので、エリウッドの支援力は凄まじいものになります。
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というか単純に不要札を捨ててカードを引く試行回数を稼ぐことで、状況に応じた札を引き込みやすくできるのは間違いなく強いです。

現状ではいろいろなメタカードが登場し全盛期ほどではないにせよ、依然として対戦環境では使用者も多く【a. 環境に居座り続けている】と言えるでしょう。
また、サナキの展開力とリソースの前では並大抵のデッキは殴り負けるため、【c. 既存のデッキを崩壊させ】て王者に君臨した点も評価が高いです。
他にもサナキを主人公とした際の運用を紹介しましたが、緑で絆6のターンの動きを埋めるカードとしても活躍しました。
例としてはこの頃のミカヤ主人公は絆6でできる動きがあまりなく、出撃コスト3+3といった動きができなかったためやむなく4のユニットを1体出すだけだったりしたのですが、そこにサナキを出して絆6をすっ飛ばして7まで持っていくと、出撃コスト4+3のユニットを展開できるなど、動きをきれいにすることができました。
この点は【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】としても評価が高めです。

平成最後に登場し、それまで使用率が落ち込んでいた緑を一気に盛り返した立役者、サナキが第2位でした。

1位 世界を解放せんとする者 ゼフィール

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そして栄えある第1位に輝いたのは、17弾で登場した5cゼフィールです。
f:id:ragnellike:20211118174418p:plain 17弾って英雄総進軍と申しまして赤青白黒緑紫黄…と全色が登場したパックなんですが、それでこの紫の使用率頭おかしいと思うんですよね。
毎度すみませんが、百聞は一見にしかずという言葉もありますので、これを見てまず【b. 新時代を築き上げた主人公】であることはご納得ください。

さてその1位に輝いたゼフィールの持つスキルとはというと、 「神将器 エッケザックス」1枚絆をリバースするとゼフィールと誰か味方(ゼフィールも含む)の戦闘力を+10する
「ハルトムートの強刃」このターンに「神将器 エッケザックス」を2回以上使用しているなら、相手の手札をランダムで1枚捨てさせ、捨てさせたカードと同名のユニットを撃破する
というもの。

エッケザックスの方はまぁコスパの良いパンプスキルって感じなんですが、問題はハルトムートの強刃の方で凶悪そのもの。
まずドローの細いこのゲームにおいて1枚ランダムでハンデスというのは充分強く、捨てさせたカードを回収する手段も限られているので、デッキによってはこれだけでだいぶ痛手になります。
そんなデッキ使ってるほうが悪いっていうのはまぁそれはそう。
加えて撃破するユニットの対象に残念ながら主人公以外とは書いていないので、主人公と同じ名前のカードを抜かれたら撃破されて負け、という可能性も充分ありえます。
単体では非常に詰め性能に特化したカードデザインと言えますね。

そしてこれを主人公としたゼフィールデッキはというと、一言でいうと理不尽そのものです。
紫は支援というコンセプトでカードがデザインされているので、支援を確定させるカードが数多く収録されています。代表的なのは「運命の紋章」でしょうか。
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続いて、発動すると絆を加速する「竜人の紋章」を持つカードが2種存在しています。
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ゼフィールはCCコスト4なので、CCするには絆4、つまり4ターンかかるのですが、これらのおかげで序盤から攻撃を繰り返しつつ竜人をめくって絆を加速し、うまく行けば先攻2~3ターン目にはCCしているようなこともあります。
そうすると相手よりも先にCCをしている場面も出てくると思いますが、そこで「神将器 エッケザックス」と「ハルトムートの強刃」を使われ、運悪くCCする前に乗るはずだったカードを抜かれてしまったら…?
…考えるだけで恐ろしいですね!!!

流石にこれは最高に上振れムーブだとしても、ちゃんと乗れたゲームでも低コストユニットをゼフィールが「神将器 エッケザックス」でパンプして一線級の戦闘力に引き上げてから殴られるので回避が欲しくなるところですが、そうすると今度は「ハルトムートの強刃」で回避札を抜かれると、抜かれてライフ-1、撃破されてライフ-1という状況になるため、回避札は欲しいが回避札を持っていると負ける、という意味がわからない状況になります。
そうなるともう相手が回避札を抜かないことをお祈りしながら戦うしかなくなってしまいますが、だいたいゼフィールには手札が5枚以上の時に手札を捨てさせる「暗闇の紋章」が入っているので、手札を4枚以下にしながら戦うことを強要されるため、「ハルトムートの強刃」のヒット率もそれなりに高いです。
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スキルにばかり着目していましたが素のスペック自体も高く、CC後の戦闘力80はもちろん高いのですが、上述の理由でわりかし低コストの採用が多めになるため、CC前のゼフィールもなかなか倒れにくくなっており、序盤の打ち合いにも強いというのが非常に優秀でした。ゼフィールがCCする前に殴りぬくというのもできなくはないですが簡単ではないです。
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とまぁこのように理不尽を押し付けて相性とか関係なく数多のデッキを粉砕してきた実績が高く評価され、【c. 既存のデッキを崩壊させたカード】として評価が非常に高いです。
実際、この話題について話しているときもゼフィール以上にやばいカードある???みたいな感じでした。
ゼフィール主人公としての話が長くなりましたが、紫のデッキはだいたい運命竜人が入るので、5c支援10とだけ聞くと最低スペックに聞こえるゼフィールも活かしやすく、その凶悪な詰め性能から数々のデッキで採用され、数多の回避札を抜き去り、勝利をもぎ取ってきました。
例えば、「やってみなきゃわからねえ!」で何回パンチが飛んでくるかわからないアル主人公のサブとして採用されていると、ゼフィールのエッケザックスで戦闘力が強化されたアルの攻撃はほぼ通るので、殴られている側は回避を何枚用意すればいいかわからないし、用意したらゼフィールで抜かれるし…ということで頭を抱えてしまいます。
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そのため、【d. 既存のデッキのパワーを押し上げたカード】であり、替えも効かないので【e. 唯一無二性が強く採用率が高いカード】であることも間違いないです。

以上により、堂々の第1位にはベルン国王であらせられるゼフィール陛下が選ばれました。おめでとうございます!
きっと数多のサイファプレイヤーに愛され、そして恨まれていることでしょう...!

平成最後にサナキとかいうやばいカードが出たかと思いきや令和の最初にはこんな理不尽カードが出るサイファ、2019年はヤバかったですね…。

おわりに

いかがだったでしょうか?
今回のランキングはできるだけ主観や私怨を除きたかったので、個人の独断と偏見ではなくある程度意見を募り、評価基準もある程度定めてやってみたので、そこそこ信頼できるものにできたのではないかと思っています。
ちなみに個人の主観と私怨をモリモリにしていいのであれば、6cカム子は2位くらいに位置するし、5cレオン(ダークサイレンス)もTOP10に入ると思ってました!黒が敵専用なのがよく分かるコメント。
このランキングに対する意見やコメント(あのカードなんで入ってないんだ、このカードもっと低くていいだろ、そもそもYoutubeでやれ、etc...)ははじめにも言いましたがウェルカムなのでいろいろコメントを頂けると盛り上がるんじゃないかと思います。

今後もサイファネタの記事は書いていくつもりなので、今後とも「回避ないです、負けで。」を何卒よろしくお願いします!

たぶん、過去最高のボリュームになったんじゃないかな…w